色の錯覚〜仕事で使いたい相手への気配り

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色の錯覚〜仕事で使いたい相手への気配り

「自分には青色に見えているのに相手は白色に見えている」通信技術が発達し、仕事上で画像でのやり取りが増えました。モニターの設定や蛍光灯などの環境光の違いで見え方も変わります。色が違って見える錯視が起こる事も考慮しましょう。

錯覚とは?錯視とは?

錯覚とは人が正常な状態にありながら本来とは違う物を認識してしまう現象です。特に視覚は錯覚を起こしやすく、一般に「目の錯覚」と呼ばれることを「錯視」とも言います。錯視によって起こる現象を「錯視効果」と言います。

私たちは物体の色を物体に反射した光信号を目の視細胞で感知し脳に伝えられます。しかし、脳は色を処理する上で、周囲の環境を踏まえて処理してしまい、時に錯覚が起こります。色の錯視の例をいくつか紹介します。

色相対比

色相対比

上の図形の中央のオレンジは両方とも同じ色ですが、背景が赤の方がより黄色く見え、黄色が背景の方がより赤みが強く感じます。人間は見ている色の刺激を和らげるために、見た色に対しての感度を低くします。右の赤の図の方を見ると視細胞が赤色の信号に対して感度が低くなり、中央にあるオレンジの赤みも一緒に低くなり黄色味が強くなったような見え方になります。

左の黄色に囲まれたオレンジも黄色味の感度が低くなったため、赤みが強い見え方になります。

彩度対比

彩度対比

オレンジ色の周りに囲まれている色によって真ん中にあるオレンジ色図形の彩度が違って見える現象です。茶色に囲まれているオレンジの方が彩度を高く感じ、黄色に囲まれているオレンジの方が彩度を低く感じます。

明度対比

明度対比

明度対比とは、色の明るさが、周りの色の明るさによって変化しておきる現象です。黒に囲まれているグレーの方が、白に囲まれているグレーより明るく感じます。

縁辺対比

縁辺対比

並んだグレーの1面を見てみると左の明るい色に接しているグレーと右の暗いグレーに接している方と両方の縁が違う色に見え、グラデーションがかかってるように見えます。

同化現象

同化現象

同化現象は、隣り合う色の属性がお互いに近づいて知覚される現象です。同じ赤色でも黄色の縞模様がある方は少しオレンジっぽく見え、紫の縞模様がある方は青みがかって見えます。錯視効果は日常の生活で売られている商品や広告、服やメイクなどによく応用されています。錯覚以外に、私たちの脳は普段の生活でも、色を正確に把握する上で重要な働きを行っています。

色の恒常性〜脳内で自動認識

先にいろんな色の錯視について説明しましたが、私たち日常生活で物を見る場合、錯視効果で暗く見えたり、色味が強く見えたりということはありますが、色の認識に関しては錯視にあまり引きずられません。

なぜなら「色の恒常性」と言われる脳の働きがあるからです。色の恒常性という現象の明確な原理は解明されていませんが、人間が物を見た時に周囲の環境の色や違う色の照明の下でも、過去の様々な経験から脳の中で自動的に白熱球で見た時と同じ色に見えるよう認識し、照明条件を推定し補正しているからだと言われています。

つまり、同じ物体を照明の環境が変わっても本来の物体の色を知っていると、知っている色に見えるように脳が勝手に補正してくれるのです。

例えば、赤いりんごは通常の照明条件で見ると赤いことを理解していると、青い照明下だと紫がかって見えるりんごを、白熱球の下で見たのと同じように赤色に見えます。紫色のりんごが赤色に見える現象で有名なのが「チェッカーシャドウ錯視」です。

チェッカーシャドウ錯視

チェッカーシャドウ錯視

上の画像のように白とグレーのチェック模様の地面に円柱の棒が立ち影ができています。影がかかっていないチェック模様のグレーの部分(A)円柱の陰で模様の白い面が暗くなっている部分(B)を見比べてください。AとBの部分は同じ色ですか?と聞かれるとすると大半の人は「違う」と答えます。

しかし下の画像を見てみるとどうでしょう?

チェッカーシャドウ錯視 AとBは同じ色

Aの面をBに向けて伸ばして見ると、AとB両方とも同じ色であることがわかります。

しかし脳はAとBが同じ暗さになっても、脳ではチェック模様の白と認識しているため、チェック模様のグレー部分と同じグレーと認識されない現象です。

恒常性の錯視

恒常性の錯視

上のトマトの画像も見てください。紫がかったトマトの画像ですがトマトは赤いということは認識できます。しかし、スポイトで色を抽出して見るとトマトはあずき色で、光沢部分は紫色になっています。

つまり、目の色認識としては下の画像のようにみえているはずが「トマト」「画像が青みがかっている」という環境の認識で赤いトマトに見えるのです。

紫色のトマトが赤いトマトに見えるのが恒常性錯視という現象です。

恒常性錯視

恒常性の錯視で厄介なのは同じ色と頭で理解していても同じ色に見えないところです。同じ色とわかって見比べても違う色に見えるてしまうほどに脳で把握している色の影響は強いのです。

人によって色が違う写真

先に話したように人の脳内補正が時には人によって見える色を変えてしまうことがあります。同じ環境で同じものを見る場合には問題ないのですが、画像として見る場合に時折人と違う色が見えることがあり、過去には「このドレス何色に見える?」という言葉と共に添付された写真が話題を呼び世界中で議論されました。

一着のドレスを写した写真が発端なのですが、写真のドレスが人によって「青と黒」「白と金」に見える人に別れました。見る人によって色が違って見える原因が色の恒常性による脳の働きではないかと言われています。つまり人によって画像の証明条件の補正が2種類に別れたことで色が違って見える現象が起こったのではないかと言われています。

つまり自分の周囲を見渡す場合と違って、写真などの画像は、周囲環境から切り取られているため、画像を見た人の脳による証明条件の補正が正確に行われなかったのです。また、衣類などの多様な色が使われるものは脳で認識し、色が断定されていないため、より起こりやすかったのではないかと考えられます。

ドレスの色論争から静脈へ

ドレスが青か白かの論争から、錯視・目の錯覚(知覚心理学)の教授である北岡教授が、静脈が青く見えるのは同じ現象ではないか?という考えから、静脈は錯視によって青色に見える事を発見をしました。

人間の静脈は本来は青色よりも灰色に近いのですが、肌の鮮やかさと灰色の静脈が錯視によって人間の目には青く見えていると結論づけられました。

 

画像での確認に注意

通信技術が発達し、仕事の効率化も合わせて写真でやり取りを行うことは少なくありません。

例えば会社で何かを購入するとき、部下がお店に行って買うものの写真を撮り「こちらを購入でよろしいでしょうか?」と確認を取り、購入して帰って来たら「色が違う!」なんて言われることもあるかもしれません。見栄えを良くして使う写真などであれば問題ありませんが、画像確認のやり取りで行う写真は認識のズレが大きな問題になるかもしれません。

仕事で写真やり取りを行う場合、お互いの認識のズレを発生させない写真にするためには以下の点に注意が必要です。

・取りたい対象から少し引いて撮る

写真を見た人に証明環境の情報をなるべく多く残すためです。

・加工をあまりしない

最近では見栄えを良くするために写真加工アプリが多くあります。しかし、加工の仕方次第では脳の証明条件認識を勘違いさせるものになるかもしれないので注意が必要です。少しだけ明るさを調節するのがベストです。

・画像以外の情報をつける

画像だけではなく「○色です」と軽く文章を付け加えるだけで脳の認識が画像だけに頼ることがないので正確さが増します。

 

まとめ

PCやスマホの普及により、仕事でメールやチャットで画像を送りあう事が簡単になりました。自分が見ている色が相手にも同じ色が見えていると思い込むのは危険です。

相手と自分が同じ環境だと思い込まずに一言添えたり、カラーコードを書くなどの気配りや工夫で、認識のずれやミスを減らす事ができるのではないでしょうか?

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